胃がん

胃がんの特徴と原因

がんは、がん細胞が胃の粘膜にとどまっている粘液がん、粘膜の下層に進んだ粘膜下層がん、さらに進んで筋層までおかした筋層がん、胃の外面を覆う漿膜(しょうまく=腹膜)まで広がった漿膜がんに分けられる。このうち粘膜がんと粘膜下層がんは、手術後の治癒率が極めて良いので、早期胃がんと呼ばれている。これとは逆に、筋層がんと漿膜がんは手術後の治癒成績が早期胃がんほどよくないので進行胃がんといわれている。もちろん早期胃がんといっても、粘膜下層がんでは周囲のリンパ節にがん細胞が入り込んでいることがあるし、進行胃がんでは周囲のリンパ節だけでなく、胃の周囲にある網膜や腹膜をはじめ、肝臓、直腸、卵巣、肺などの臓器や、離れた場所にあるリンパ節などにもがん細胞が転移して、がん死亡の原因になることがある。

わが国の平成17年の死亡数を死因順位別にみると、第1位は悪性新生物(がん)で32万5885人、死亡率(人口10万対)258.2、である。
 主な死因の年次推移をみると、悪性新生物(がん)は一貫して上昇を続け、昭和56年以降死因順位第1位となり、平成17年の全死亡者に占める割合は30.1%となっている。全死亡者のおよそ3人に1人は悪性新生物(がん)で死亡したことになる。
がんの部位別で見てみると、胃がんは、平成5年までは最も多く、現在では男性は『肺がん』、女性は『大腸がん』が最も多くなっているが、これは胃がんが減少したというよりは、男性の肺がん、女性の大腸がんが著しく上昇したためである。
年齢別に見ると、男女とも年齢が進むとともに増加するが、ことに40歳代から著しく増加している。胃がんの死亡統計によると、東日本の日本海寄りの地方が高く、米の大食や飲料水、また食習慣も関係していると考えられる。

原 因 他のがんと同様に、胃がんの原因についてもまだ決定的なものは無い。ただ、食習慣、すなわち白米、焼き魚、塩魚、酒類などの大量摂取が関係しているとも考えられている。また、胃がんが同一家系内に頻発することもあるので、遺伝的な関係も考えられている。しかし、胃がんに特有な遺伝因子があるのかどうか、また胃がんの遺伝様式はどうなっているのかなどはまだ不明である。

前がん病変 一般にがんの発生しやすい病気は、前がん病変として注目されている。一般に胃がんの前がん病変としては胃ポリープ、慢性胃潰瘍、悪性貧血に伴う胃粘膜萎縮、腸上皮下生を伴う萎縮性胃炎などが考えられている。
胃ポリープのうち、過形成性ポリープでは2%くらいががんになっているが、胃ポリープ全体では1%以下である。また慢性胃潰瘍では2%ががんになっているので、胃潰瘍が発見されたら治癒するまで経過を観察する必要がある。
しかし、前がん病変があっても、必ずしもがんになるわけではないが、これらの病気が発見されたら、経過を追って定期的な検診を受ける必要がある。
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