肺がん

肺がんとは

がんは、肺内に樹枝状に広がる気管支の壁の細胞からできるかたまりである。気管支の細胞が、がん細胞になると、急に分裂が増して、がんのかたまりが大きくなっていく。2〜3倍の大きさになるまでに、2〜7年かかると考えられているが、その頃がん細胞はリンパ管を流れ、または肺の血管に入って広がりはじめている。がん細胞がリンパ節にくると、そこでまた増え、さらにその先のリンパ節へと広がっていく。この状態がリンパ節転移である。いっぽう、血液中に入ったがん細胞は全身を流れ、その多くは血液によって殺されてしまうが、あるものは腎臓・肝臓・脳・骨など、肺から離れた臓器で増殖し、そこに植民地をつくる。これを血行性転移という。おかされる範囲が広いほど全身の機能が衰え、ついには死亡する。この肺がんが大きくなる程度や、転移の広がる速度は、がんの性質によって様々である。
ひと口に肺がんといってもかなり性格の違う3つの型がある。その違いは顕微鏡で見分けることができる。

扁平上皮がん 肺がんの31.3%を占め、煙草喫煙と密接な因果関係がある。

腺がん 女性に多いもので、41.5%を占めているが、喫煙との関係は少ないと考えられている。

未分化細胞がん 肺がんの19.4%を占め、喫煙との関係は扁平上皮がんと腺がんの中間である。


◇ 肺がんの原因

がんの発生の原因は、まだ充分に解明されてはいないが、原因となる因子はひとつだけでなく、ふたつあるいは3つの因子が重なってがんができるのだろうと考えられている。肺がんは、この理屈を説明するのに都合のよいがんである。
肺は、長い年月の間に、外界からいろいろなものを吸い込むことになるので、空気の汚れのひどい場所に住む人、職業的にチリや鉱滓(こうし)の多い場所で働く人、煙草喫煙を続ける人などは、気管支が長年の刺激を受けて細胞の形が変わってしまうことがある。この状態はまだがんとは違うのだが、その形は扁平上皮がんや未分化細胞がんがん細胞に一歩近づいた形である。また、その中には、扁平上皮がんが混じっている場合も発見されている。そこで、大気汚染や職業汚染、あるいは煙草喫煙が、肺がんの発生に大きな因子になっていると考えることができるわけである。さらに、これらの3つの因子が重なっていれば、肺がん発生への危険が多いことになる。
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